最近、「税関」を名乗り、個人情報を聞き出そうとしたり、金銭を要求したりする不審な電話やメール、SMS(ショートメッセージ)による被害が全国的に報告されています。
「自分宛の荷物」や「税関からのお知らせ」と聞くと、つい対応してしまうかもしれませんが、それこそが詐欺の巧妙な手口です。
狭山市にお住まいの皆様も、いつターゲットにされるか分かりません。大切な資産や個人情報を守るため、詐欺の手口と正しい対処法を知っておきましょう。実際、たった今自動音声で【松山税関支署です!】と電話がありました。「大事な書類を預かっているのでオペレータにつなぎます。”1”を押してください。」と。1を押さずに放置したら、繰り返し自動音声のあとに電話が切れました。
こんな連絡は詐欺!実際に報告されている巧妙な手口
犯人は、私たちが「税関」という言葉に持つ信頼感や、「荷物」という身近な話題を利用して不安を煽ってきます。以下のような連絡が来たら、まずは詐欺を疑ってください。
手口1: 自動音声の電話 📞
「あなた宛ての荷物を税関で預かっている」「荷物の中に違法なものが入っている」といった自動音声ガイダンスが流れます。 その後、「詳しい説明のために」と警察を名乗る者に電話が転送され、最終的に金銭や口座情報などの個人情報を要求されます。
手口2: SMSやメールでの支払い要求 📩
「荷物の通関のため、指定口座に料金を直ちに払い込め」「払わない場合は逮捕する」などと脅し文句を使い、金銭をだまし取ろうとします。 また、「税関 関税等お支払サイト」といった偽物のウェブサイトへ誘導し、関税の支払いを装ってクレジットカード情報などを盗み取ろうとする手口も確認されています。
手口3: 国際ロマンス詐欺との連携 💔
SNSなどで知り合った外国人から「あなたにプレゼントを送った」といった連絡が来ます。 その後、税関や運送会社を名乗る者から「通関費用」「保管料」「(荷物の)解放金」といった様々な名目で、高額な支払いを要求されるケースです。
手口4: なりすましメール 📧
税関の公式メールアドレス(@customs.go.jp)を不正に装い、あたかも税関からの連絡のように見せかけ、無関係な金融商品サイトなどへ誘導する事例も報告されています。
【重要】税関はこんな連絡を「絶対に」しません!
詐欺被害を防ぐ最大の防御は、「税関がどのような対応をしないか」を知っておくことです。以下の点をしっかり覚えておきましょう。
- 自動音声で電話をかけることはありません。
- SMS(ショートメッセージ)で「関税等お支払サイト」の案内を送ることはありません。
- (※本物の「税関 関税等お支払サイト」は、海外から入国した方が、税関検査場で税関職員の前で利用するものです)
- SMSやメールで、関税等の納付を求めたり、「差押えを執行する」といった予告を送ったりすることはありせん。
- 「輸送費用」や「解放金」といった名目(関税や手数料以外)で、荷物を受け取る方に直接金銭を請求することはありません。
- 無関係なサービスや商品(金融商品など)をメールで案内することはありせん。
もし不審な連絡が来たら?落ち着いてこう対応しよう
万が一、上記のような不審な連絡が来てしまっても、慌てず以下の対応を徹底してください。
1. 絶対に応じない
金銭の要求には絶対に応じないでください。また、銀行口座、暗証番号、クレジットカード情報などの個人情報を絶対に教えたり、入力したりしないでください。
2. 無視して、クリックしない
不審なメールやSMSに記載されているリンク(URL)は、絶対にクリックしないでください。アクセスすると、個人情報を抜き取られたり、ウイルスに感染したりする危険があります。
3. 電話は「一度切る」
相手が実在する税関の電話番号(※)を名乗った場合でも、すぐに信用してはいけません。(※番号が偽装されている可能性があります) 慌てず、一度相手の所属・氏名・内線番号を確認し、「こちらからかけ直します」と言って必ず一度電話を切ってください。
4. 税関に「直接」確認する
不審に思ったり、不安になったりした場合は、自分で税関の公式ホームページなどから「税関相談官」の連絡先を調べ、そこに電話して事実確認をしましょう。
まとめ:自分は大丈夫と思わず、家族や友人にも情報共有を
詐欺の手口は日々巧妙になっています。「荷物」「税関」「警察」「逮捕」といった言葉で不安を煽り、冷静な判断を奪おうとするのが犯人の常套手段です。
「自分は大丈夫」と思わず、狭山市内にお住まいのご家族やご友人、ご近所の方とも「こんな詐欺があるらしいよ」と情報を共有し、地域全体で被害を防ぐ意識を持つことが大切です。
少しでも「おかしいな?」と思ったら、一人で判断せず、すぐに最寄りの税関や警察、消費生活センターなどに相談してください。
